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About Koichi Murakami

2014年10大ニュース

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2014年の最後に、一年を振り返り、独断と偏見で今年の日本ラグビー10大ニュースを考えてみた。こうして並べてみると日本ラグビー史の中でも特筆すべきニュースが多い。
◎2014年10大ニュース
1.テストマッチ11連勝(日本代表世界ランキング一時9位)
2.2016年よりスーパーラグビー参戦決定
3.U20日本代表、JWC昇格
4.男子セブンズ日本代表、セブンズワールドシリーズコア15チーム入り
5.帝京大学、前人未到の全国大学選手権五連覇
6.女子セブンズ国内シリーズスタート
7.男子セブンズ全国高校大会スタート
8.アジア競技会、セブンズ日本代表メダル獲得。男子は金、女子は銀
9.ラグビーワールドカップ2019、開催地立候補
10.大野均、日本代表歴代最多キャップ更新
日本代表のテストマッチの連勝は、2012年11月15日、アウェイでのロシア代表戦から始まった。2013年6月21日のイタリア代表戦勝利は史上初の快挙であり、メンバーもキャプテンのセルジオ・パリセほか数名の主力が負傷で不在だっただけで、シックスネーションズ(欧州6カ国対抗)出場メンバーが揃っていた。試合終盤にスクラムで反則を誘い、勝ちきったことも意味がある。そして、同じ6月にはアウェイでカナダ、アメリカにも逆転勝利をあげた。日本代表の着実な歩みを証明してみせた。
しかし、11連勝で止まったグルジア戦(11月23日)の衝撃も凄まじかった。イタリアや11月初旬に来日したマオリ・オールブラックスさえも押し込み、手応えと自信を得ていたはずのスクラムが強力な圧力を受けたのだ。体感したPR垣永真之介(サントリー)は、「トラックに押されているみたいでした」と語った。「筋肉も肩も背中もすごい盛り上がりで、隙間がないくらいでした」。つまり、首を入れるスペースもないほどグルジア選手の上半身は筋肉の鎧で覆われていたということである。
グルジアFW選手の多くがフランスのトップリーグである「トップ14」でプレーしている。トップ14で年間を通してもまれていることで彼らも長足のレベルアップを続けているわけだ。トップ14は、日本のトップリーグよりレベルは高いと認めざるを得ない。このことは、日々をどう過ごすかが、いかに大切かを示している。グルジアに見せつけられたフィジカル面の差は、日本代表選手にとって強烈な刺激となった。2015年秋のRWCに向け、さらなる肉体改造が必要ということだ。そして、スーパーラグビーに参戦し、世界のトップ選手が集うタフな環境で鍛えられることが、日本選手のレベルを上げることも間違いない。日本ラグビー界をあげてスーパーラグビー参戦を成功させなくてはならないだろう。

最初に日本代表のことに触れたが、10大ニュースの中で、もっとも価値が高いと思うのは、U20日本代表のJWC(ジュニア・ワールド・チャンピオンシップ)への昇格である。2009年、日本でJWCが開催された頃までは16チームによる開催だった。日本もそこに参加していたわけだが、翌年から12チームによる開催となって13位以下はJWRT(ジュニア・ワールドラグビー・トーナメント)に参加することになっていた。日本もJWRTからの昇格を目指し、悲願がかなったのだが、次代を担う20歳以下の選手達が世界トップ12の中で戦えることは何よりも価値がある。
セブンズに関してのニュースも多かった。男子セブンズがワールドシリーズ全9大会に参加できるコア15チームに昇格したのも快挙だ。現状は苦戦が続いているが、この経験はチーム力を格段に伸ばすだろう。セブンズ全体を見渡すと、2016年、2020年のオリンピックの正式種目になったことで、各カテゴリーで急ピッチの動きがある。オリンピックを目指して他競技から転向する選手も多い女子セブンズの国内シリーズ開催は選手達のモチベーションを高めるし、目標にもなる。セブンズをプレーする機会の少ない男子高校生の全国大会もセブンズ向きの選手をいち早く発掘育成することに役立つだろう。アジア競技会では、男子が金メダル、女子が銀メダルを獲得した快挙にもかかわらず、日本での報道は少なかった。日本ラグビーの現状を表しているのだが、さらなるプロモーション活動が必要ということだ。
2019年、日本で開催されるラグビーワールドカップ(RWC)の開催立候補都市も出揃った。12月に入って追加で立候補した横浜市・神奈川県も含めて15の自治体が手を上げている。開催地が確定するのは2015年3月の予定だ。帝京大学の五連覇も遠くまで語り継がれる記録だが、まだ記録が伸びる可能性があるので少しだけ触れたい。新日鉄釜石、神戸製鋼の日本選手権7連覇、同志社大学の大学選手権3連覇にはすべての優勝に関わった選手がいた。ところが、帝京大学は完全にメンバーが入れ替わっても連覇を伸ばしている。勝ち続ける環境を整えたという意味で価値が高い記録である。
最後に大野均選手のことにも触れたい。2014年5月30日のサモア代表戦で日本代表キャップを「82」とし、歴代最多保持者となった。現在、36歳。いまだに日本代表に欠かせぬ戦力であり、2015年RWCも怪我さえなければ出場は濃厚である。キャップ数は「87」まで伸びている。来季のテストマッチ数は明らかになっていないが、2015年RWCで100キャップ到達の可能性もある。その試合が日本ラグビー史上初の決勝トーナメントで、そこで大野均が最初にボールを持って登場したら日本のラグビーファンはどんなに幸せだろうか。そんなことを思い描きつつ、2014年のコラムを締めたい。
皆様、良いお年をお迎えください。