BLOG 楕円紀行

About Koichi Murakami

44th 年末年始

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久しぶりのコラムである。お待たせしていたみなさん、大変申し訳ありません。11月は、何度も京都に出張して実家で過ごしながら、紅葉をゆっくり見てもまわる暇もなく、歯がゆい思いをしていた。次はなんとか、京都の花見を実現させたいものだ。

11月は日本代表がアメリカ代表に2連勝。海外では、ニュージーランドが欧州遠征で全勝し、スコットランド、アイルランド、ウエールズ、イングランドという英四協会代表を下して、グランドスラムを達成した。このことに詳しく触れるべきところだが、あっという間に日本ラグビーもクライマックスである。

年末年始は、全国大学選手権、全国高校大会など、各カテゴリーで日本一決定戦が行われる。高校大会は、例年通り大阪の近鉄花園ラグビー場で行われるが、参加51校のうち、Aシードは、春の選抜大会でも決勝を戦った大阪の常翔啓光学園、奈良の御所工業・実業、東京の國學院久我山となった。Bシードには、連覇を目指す東福岡など10校が選ばれている。今年は、高校にも試験的実施ルールが導入されている。スクラムのオフサイドラインが5m下がるほか、モールも相手の肩と腰の間をつかんでいるなら引き倒してもいいことになっており、実質的にはドライビングモールからのトライは激減するはず。だとすれば、展開力のあるチームが有利。常翔啓光学園、御所工業・実業は体格には恵まれていないが、ボールを動かす能力は高く、勝ち抜くチャンスは十分にあるということだ。
大学選手権は、初の公開抽選が導入された。抽選前に挨拶に立った日本ラグビー協会の和田文男副会長は、「日本ラグビーにも変化が必要」と語った。果たして組み合わせは、2年前まで6年連続で決勝戦を戦った早稲田大と関東学院が対戦することに。12月20日、埼玉県の熊谷ラグビー場で行われるが、熊谷ラグビー場史上最多の観客が集まるのではないかと噂されている。メインスタジアムの収容人員は2万4000人とされているが、どれくらいの集客になるのか興味深い。もう一つの注目カードは、秩父宮ラグビー場で行われる帝京大と慶應大だ。関東大学対抗戦Aで全勝優勝を成し遂げた帝京大だが、レギュラーシーズンでは慶應と5−5で引き分けている。優勝争いを大きく左右する2試合になる。
東高西低の勢力図は今年も変わらないが、関西の各大学も接戦続きだったリーグ戦の影響か、シーズンの深まりとともに力を上げてきた。特に、関西学大、同志社大は関東の上位陣ともいい勝負ができるだろう。昨季、1回戦を突破した関西勢は京産大だけだった。今年は複数の突破が狙えそうだ。
各リーグの順位と戦いぶりを見て、順当な勝ち上がりを考えれば、1月2日の準決勝は、帝京大対法政大、早稲田大対東海大になる。帝京か東海なら初優勝。早稲田は連覇、法政なら16年ぶりの優勝だ。と、書いてしまったけれど、このシナリオが1回戦で早々に崩れる可能性も十分。今季の大学選手権は波乱含みである。

世界に目を向ければ、12月1日、2011年ワールドカップ・ニュージーランド大会の組み分けが発表になった。日本が順当にアジア予選を突破すれば、プールAとなる。アメリカ地区1位は、カナダになる可能性が高い。同じ組に地元ニュージーランド、優勝候補の一角であるフランスが入っていることで、日本が本来目指していた決勝トーナメント進出は「絶望的」とする声は多い。現実的にはそうだと思う。しかし、「2勝は狙える」という声が協会内から早々に聞こえてくるのはおかしい。1991年大会でジンバブエからの1勝しかあげたことのない日本だが、2011年大会までまるまる2年以上の強化時間があるのだから目標はあくまで決勝トーナメント進出に置くべきであり、トンガ、カナダに勝ち、ニュージーランド、フランスに勝負をかけて挑む準備をしてもらいたい。そうでなければ、2勝すらできないだろう。
プールAで最下位扱いのアジア1位は、かつての大会同様、厳しい日程になるだろう。今、日本の世界ランキングは16位であり、4位扱いされてもいい位置にいる。組み分けを決める前段階で、アジア協会、アフリカ協会など地域協会と協力しながら、IRB(国際ラグビーボード)の独断で組み分けが決まらないような調整が必要だ。現場が頑張るだけでは決勝トーナメント進出はできない。日本協会自体がもっと国際ラグビー界のなかで力を持っていかなければ。

◎2011年ワールドカップ・プール分け
プールA:ニュージーランド、フランス、トンガ、アメリカ1位、アジア1位
プールB:アルゼンチン、イングランド、スコットランド、欧州1位、最終プレーオフ勝者
プールC:オーストラリア、アイルランド、イタリア、欧州2位、アメリカ2位
プールD:南アフリカ、ウエールズ、フィジー、オセアニア1位、アフリカ1位

もし、日本がアジアで2位になった場合は、まずアメリカ3位と対戦し、続いて、ヨーロッパ3位対アフリカ2位の勝者と戦って、プレーオフ勝者枠を目指すことになる。しかし、これはリスクが大きすぎる。アジア5か国対抗でNO1の座を守り続けるしかない。

2011年に戦力になる若い選手がどれだけ出てくるかは未知数だが、来年(2009年)6月に日本で開催される20歳以下の国際大会「ジュニアワールドチャンピオンシップ(JWC)の詳細も発表になった。開催期間は、2009年6月5日(金)〜6月21日(日) で、東京(秩父宮ラグビー場)、愛知(名古屋市瑞穂公園ラグビー場)、大阪(近鉄花園ラグビー場)、九州(福岡:レベルファイブスタジアム、佐賀:ベストアメニティスタジアム)にて開催される。今月中にも候補選手が発表され、国内シーズンが終了するとともに準備が始まる。この件については、また次回のコラムで書きたいと思う。